2013-09-21

NETGEAR ReadyNAS 102 (RN10200) を購入してみた

NETGEAR社のReadyNAS 102です。今まで、同社の ReadyNAS Ultra 2 を使用しています。現在でも自宅サーバの根幹ストレージとして活躍しています。

この度NTT-X Storeの特売で安く買うことができましたので、102とUltra2を比較してみることにしました。

ぱっと見、箱の雰囲気が違います。Ultra2の方は、日本人のデザイナーが、気合いを入れて制作した感じがします。102の箱は、英語・日本語・中国語共通のデザインのようで、そこはかとない手抜き感が伝わってきます。

基本構造

まず、筐体の色が違います。Ultra2はメタリックダークグレー、102はブラックです。フロントパネルは、Ultra2は空気取り入れ口のパンチパネルが大半を占めています。102はつやありブラック、いわゆるピアノブラック仕上げとなっています。

正面から見たサイズはまったく同じです。上から見ると、102の方が1cm程度奥行きが大きいです。

フロントパネルを開いてみました。あまり変わりません。

Ultra2は二つのGbEポートと二つのUSB2.0ポートがあります。102は一つのGbEポートと二つのUSB3.0ポートとeSATAポートがあります。どちらも92mm径の冷却ファンを搭載しています。大口径ファンのおかげで、動作音は無音ではありませんがほとんど気にならないレベルです。

HDDブラケットは違います。Ultra2はHDDをネジ止めするだけです。102は、3.5インチドライブならネジ止めではなく、プラスチックのガイドレールで固定します。2.5インチ用ドライブのねじ穴も付いています。102に付属するネジはミリ規格のネジですので、3.5インチドライブでは使いません。

インストール

ブラケットにHDDを固定し、本体に挿入したら、ACアダプタをつなぎ、電源を入れます。

以下のテストでは、どちらの機種にも、Seagate ST31000528ASを2台乗せて、X-RAID2構成としていますので、同じ条件です。

ウェブブラウザで管理ページを開きます。

ReadyNAS Ultra 2 ReadyNAS 102
ログインIDはadmin、初期パスワードはnetgear1です。 ログインIDはadmin、初期パスワードはpasswordです。
決まったサイズの枠の中で、全ての操作が完結するデザインです。 ブラウザの表示領域全体を利用するデザインです。

それぞれ、初期ボリュームを作成し、Ultra2を T: ドライブ、102を U: ドライブに割り当てました。

ファイルを保存していない、できたてのボリュームです。

ReadyNAS Ultra 2 ReadyNAS 102
ウェブの管理画面では、「46 GB (5%) of 913 GB」使用中と表示されています。 ウェブの管理画面では、「101.70 MB of 888 GB」と表示されています。

どちらも、一つもファイルが無い状態ですが、青で表示されている部分は、システム管理領域か何かだと思います。102の方が、20GB程度広く使えるようです。

iSCSI

NETGEAR社のReadyNAS Ultra 2 のページにはiSCSI対応と明示されていたのですが、ReadyNAS 102のページには、iSCSIのiの字も書かれておらず、仕様にも書かれていません。Ultra2の箱にはiSCSI対応とはっきり書かれています。102の箱には小さな字でひっそりと書かれているだけです。実際にはどちらもiSCSIをサポートしています。何らかの事情で、NETGEAR社は102でiSCSI機能が使えることを隠したいのかもしれません。 ビジネス向けNASのページにはiSCSI対応が謳われています。家庭向けNAS製品のカテゴリでは、iSCSIをまったくやる気が無いという雰囲気が伝わってきます。

ReadyNAS Ultra 2 ReadyNAS 102

102の方は、「新しいLUN」を実行して、LUNを登録してから、「新しいグループ」を実行して、グループを登録し、先に作ったLUNをグループに加えることで、設定が完了します。

ベンチマーク

通常のファイル共有編

Ultra2(T: ドライブ)と102(U: ドライブ)に対して、CrystalDiskMarkを実行してみます。

ネットワーク構成は、

PC → GS108 → GS108 → GS105 → NAS

PCは GIGABYTE GA-P35-DS4 + Core2Quad Q9650 です。NICはマザーボード搭載の物は使用せず、Intel Gigabit CT Desktop Adapterを使用しています。

ハブは全てNETGEAR製品です。

ReadyNAS Ultra 2 ReadyNAS 102

Ultra2は搭載メモリが多いためか、書き込みキャッシュが効果的に効いているようで、102より書き込みが高速です。102はシーケンシャルアクセス読み込みに限って高速ですが、ランダムアクセス読み込みには弱いようです。

iSCSI編

NAS上にiSCSIボリュームを作成し、VMware ESXiのストレージとします。そこにWindows 7をインストールし、CrystalDiskMarkを実行してみました。

ReadyNAS Ultra 2 ReadyNAS 102

iSCSIでの性能はUltra 2の方が有利な結果が出ました。

総評

Ultra2の方が、日本市場向けにしっかりと作られた感があります。102は相当コストダウンしているようです。実売価格は、前者が約24,000円、後者が約12,000円と、コストの面でも、明らかに差があります。Ultra2はATOMプロセッサと1GBのメモリを搭載し、良好な成績を出しています。102はMarvell ARMADA 370 (ARM V7)プロセッサと512MBのメモリを搭載しています。低コストで導入の障壁は低いのですが、まあ、それなりの性能です。102の上位機種は312になると思うのですが、実売価格はいきなり5万円超となってしまいます。102と312の間を埋めるラインナップが欲しかったです。つまり、Ultra2を廃盤にしたのはもったいないと思いました。