2000-6-14 更新
環境改悪ツール(?)
テンキー操作でゲームで遊ぼう

プレイステーション用キーボードアダプタ

~ 制作編 ~

→ 試作編
→ 完成編
ここで紹介する機器を不用意に制作し使用することは、プレイステーション本体の故障の原因となることがあります。プレイステーションに自作の機器を接続することは、ソニー・コンピュータ・エンタテインメント社の想定する通常の使用を逸脱する行為であり、修理等のサービスが受けられなくなるかもしれません。利用者個人の責任の元で運用してください。損害が発生しても、ソニー・コンピュータ・エンタテインメント社、販売店、および本記事の著者はいかなる責任も負いません。

経過

試作編から制作編まで、だいぶ日数が経ってしまいました。はじめに試行錯誤の記録を書いていておきます。

部品リスト

値段は目安です、まとめ買い割引での単価の物も含まれていますので、単数買うときは表中の値段とは異なることがあります。

品名 型番など 数量 単価 購入店 備考
CPLD XC9572 1 800 若松通商  
マイクロコントローラ PIC16F84 1 380 秋月電子通商  
ブリッジ整流器   1   千石電商 ACアダプタの極性に合わせて配線するなら不要です。
フォトMOSリレー AQV212 1 510 千石電商  
三端子レギュレータ 7805 1      
セラミック振動子 4MHz 1 40 秋月電子通商  
LED   1      
抵抗 470Ω 2 1 秋月電子通商 100本\100
電解コンデンサ 100μF 1      
積層セラミックコンデンサ 0.1μF 4      
ミニDINコネクタ 8ピン 1 120 千石電商  
基板   1 120 千石電商 ガラスエポキシ基板推奨
ICソケット 18ピン 1 10 秋月電子通商  
PLCCソケット 44ピン 1 70 秋月電子通商  
コントローラ延長ケーブル   1 600 秋月電子通商  
ACアダプタ 8v~12v 1 800 秋月電子通商  
ACアダプタ用ジャック   1      

その他 : ケース、放熱器、シングルラインICソケット、ピンヘッダ、ハンダ、錫メッキ線、ウレタン線、ねじ、ゴムブッシュ、ゴムシート、ホットボンド(グルーガン)、etc...

PIC書き込みツールやCPLDの書き込みツールも必要です。

部品の説明

XC9572

要のCPLDです。

秋葉原なら若松通商で購入できます。
「ザイリンクスのXC9572ありますか?」
と訊くと、ピン数と速度を問われるので、
「PLCC44ピンで15ナノセックのをください」
と答えれば、これを出してくれます。

PLCCソケットは秋月の方が安いです。

PIC16F84

ワンチップマイコンです。

この装置の動作クロックは4MHzなのですが、2000-4-29日現在、4MHz品は見る影もなく、10MHz品は数が少なく、20MHz品の方が安いという、逆転現象が起きています。

AQV212

フォトMOSリレーです。

プレステの電源が入っているときに、本機の電源を入れるという、スイッチの役割をします。

最初はAQV214が10個\1000だったので買ってみたのですが、定格では出力側の電流が150mAまでで、内部抵抗も大きいので、大電流向きのAQV212にしたところ、金額が跳ね上がってしまいました。

セラミック振動子

4MHzのクロックを作ります。

7805

三端子レギュレータです。上の写真では表面実装向けの7805Fを使用していますが、ケースの空きスペースに合ったものを選んでください。

200mA以上必要ですので、78L05は使用できません。7805は1Aまで使用できますが、特にフルキーボードを接続したときは、かなり熱くなりますので、放熱器は必須です。今回は手近にあったアルミ塊に熱収縮チューブで固定して使用しましたが、アルミ製ケースに入れて、レギュレータをケースに固定するのが効果的です。

基板

DINコネクタにキーボードを抜き差しするときに基板に力がかかりますので、丈夫なガラスエポキシ基板を使った方がいいでしょう。

ミニ DIN 8ピンコネクタ

PC-9800用キーボードを接続するためのコネクタです。

ハンダ付け用のピンが1.27mmピッチに合わないので、基板への取り付けが面倒です。

コントローラ延長ケーブル

SONY純正の延長ケーブルは存在しないようです(信号劣化により動作保証できないためだと思います)。また、純正コントローラのケーブルだけ切って使おうと思っても、線材がハンダ付けに向かないような構造になっているので、秋月電子通商で延長ケーブルを買った方が無難です。

ケース

タカチ電気工業製の難燃性ABS製のケースSS-N90使用しました。

三端子レギュレータの放熱を考えると、アルミ製ケースの方がいいでしょう。同社のYM-90というアルミケースが手頃な大きさです。

シングルラインICソケット
ピンヘッダ

とても便利な部品で、電子工作をしていると際限なく使ってしまうので、大量に買ってしまいます。(私だけか?)

丸ピンソケット側にコードを差し込んでハンダを流し込めば簡易コネクタを作ることができます。

ピンヘッダは、CPLDに論理回路を書き込むための、JTAGケーブルを接続するコネクタにしています。

ACアダプタ

8v~12v 300mA以上の物を使用してください。秋月電子通商の9vスイッチングACアダプタがおすすめです。

錫メッキ線

基板の配線に使います。おすすめは太さ0.3~0.4mm

ウレタン線

線が交差する部分の配線に使います。ウレタン樹脂の皮膜があるので接触しただけでは導通しません。エナメル線のように紙ヤスリで磨く必要もありません。ハンダごての熱で皮膜を溶かすのですが、慣れないとうまく溶けてくれません。こて先にハンダを載せてウレタン線の切断部を数秒間加熱していると皮膜が溶けてきます。途中を溶かす場合は、こて先で線をこするようにするとうまくいきます。

 

基板とケースの加工


配線


本体が完成したらPICとCPLDのプログラミングをします。「完成編」をどうぞ。